読影事業会社様
医療クラウドサービスの開発支援
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サマリー
新しい技術案件を積極的に受注有識者との共同研究開発も可能1つの案件から拡がっていくこともCTやMRIで撮影したDICOM(医用画像)をクラウド上にアップロードすることで、遠隔地にいる各専門の医師・スタッフが読影診断することを可能にする医療従事者向けの医用画像管理・共有システムの開発支援を行いました。
本システムの開発支援にあたってはバージョン(以下v)1からv2に移行中のタイミングで参画しました。参画時点では肺がんのオーダーと読影の部分は開発済みでしたが、問診部分は未完成だったため、そこから着手しました。
トータル1年ほどの参画期間で、前半は肺がんのオーダーや読影部分を元にした画像診断や脳ドックのコンポーネント、後半は病理や肺、心血管ドックの開発を行い、さらに外部システムからの呼び出しができるよう一部APIの開発もしました。
さらに本システムのバージョンアップに伴い、v1で使用されていたDICOMファイルやレポートのコンバージョン作業を行いました。Dockerコンテナを活用し大量のファイルをコンバート
医療案件ということで、当初は用語がわからなかったのが苦労した点です。特に医療機器の名称や病名など、英語で書かれているケースが多いので、慣れるまでは日本語と英語のマッピングに苦労しました。
また、本案件ではお客様からのリクエストで、当時(2017年)としては新しい技術であったGoogle App Engineを利用して、Go言語での開発を行いました。
さらに、当時流行り始めたAngularを利用したSPA(Single Page Application)や、NoSQL(Google Cloud Datastore)を利用するなど、これまで対応経験が少なかった技術を使って開発したのが本案件の特徴の一つです。
工夫した点としては、Dockerコンテナによる並列処理の活用が挙げられます。
バージョンアップに伴うデータコンバートが必要でしたが、v1で使用していたDICOMファイルは1,000万件、しかも一度の撮影当たり100~200MBと容量が大きかったため、単純にコンバートしてアップロードすると処理が終わるまでに数ヶ月かかってしまうことが課題でした。
そこで、GUIのある移行ツールをDockerコンテナに組込んで並列処理を行うことで、コンバート・アップロードにかかる期間を大幅に削減することができました。
当社では、新しい技術やメンバーが希望する分野の案件を請けられる体制や他社との関係性を築いており、技術と対応可能案件の幅を拡げています。有識者と共同で研究開発・実用化を進められる
本システムの画面上で脳動脈瘤を検知する画像認識機能のバージョンアップのプロジェクトも行いました。こちらは結果的にバージョンアップを果たすことなく終了しましたが、かなりのこだわりを持って取り組んだプロジェクトです。
研究開発の領域であっても闇雲に手探りで始めるのではなく、某大学院教授にご協力いただき、共同研究によって脳動脈瘤を検知する画像認識AIアルゴリズムを開発しました。
開発にあたっては、ディープラーニングの一般的なアルゴリズムを使う前段階として、単に輪切りにした脳の画像を教師データとするのではなく、脳の三次元モデルの作り込みを行う工夫をしました。
当社では、クラウドを使った開発支援だけでなく、研究開発支援も積極的に行っています。有識者と共同で研究したり、国内外の論文やライブラリを参考に実用化研究したりできるメンバーがいることは当社の大きな強みです。1つの案件から拡がっていくことも
本システムのバージョンアップ後、本システムを導入した脳ドック医院から要望を受け、患者さんがPCやスマートフォンで診断結果を確認できるビューワを開発、リリースしました。
DICOMファイルから画像を切り出して軽量化することで、スマートフォンでもストレスなく閲覧できる仕様になっています。
その他の案件事例
スマート外観検査システムAVS
異常検知や計数など、
従来の人による目視作業を
機械学習センサで自動化する
クラウドシステム、AVS(Automatic Visual Sensor)を
開発したきっかけ、PoC事例を
ご紹介いたします。株式会社セルシス様「CLIP STUDIO WALL」
画像ファイルを3D表現の
コンテンツ作品にして飾ることができる
サービス「CLIP STUDIO WALL」
の開発支援を行いました。株式会社ビジネスブレイン太田昭和様「RPA Tester」
RPA開発時に擬似的に
本番環境と同一の環境を構築し、
本番業務を再現したテストを
行えるツール「RPA Tester」の
開発支援を行いました。